言葉にしてみた
私に本のいろはを教えてくれたセンセが言ってた。
作家は、
しんどいことですらネタになる、と。
カコーンと脳に響いた。
グツグツと自分の中で煮込むより
言葉に変えて世に出してしまおう。
喜びも悲しみも、自分の未熟さえも。
言葉で人に力を与える人、
そんな作家に私もなりたい。
カコーン
明日の朝がこわい
今朝方わんこが旅立った
母に抱かれて撫でられながら
ふぅっと息を引き取ったそう
拭っても拭っても
鼻かんでもかみすぎても
涙がこぼれる
明日は目が腫れるのだろうか
想い出なんていらない
誰かと過去を創る作業は
もう十分だと吐きながら思った
朝のできごと
朝、実家の母から連絡があった。
実家のわんこがもう長くないかもしれない、
という内容。
カーテンが閉まった日が昇る前の
真っ暗な部屋でその文面を読み、
心がぐわんとした。
私を必要としてたはずのわんこを
置いてまで上京した私は
一体何をしたかったのか。
何をしてるのか。
へたりこんでうなだれた。